田中 乗光
なぜお寺はよく“死”を扱うのか
今回は、人生で大切なことの仏教的な解釈について書きたいと思います。
【死】は出来るだけ遠い方が誰しも良いことです。でも、生まれれば必ず【死】はやってきます。はずれクジはありません、必ず当選します。
いうなれば、【死】というのは、自分の人生の最終ゴール、目標になるんじゃないでしょうか。「死ぬまでに何がしたいか」「どんな人生にしたいか」を考える事が、【死】を見つめることなのでしょう。 どんな人生にしたいかを考えることは、人生で大切なことですね。 仏教では、その考えを定期的に行うということで、【死】扱っています。
目次
自己管理できる時間の増加
仏教の宝
まとめ
自己管理できる時間の増加
緊急事態宣言が11都道府県に発令され、対策の1つとして進められているテレワークや外出自粛で日々の時間を自身で管理する方も多くなったのではないでしょうか。 私も勤務しています総本山のお寺で自宅待機という日が設けられて、自分で管理できる時間というのが少しできました。この自分で管理できる時間は、今だけなのか?これがあたりまえと増えてくるのか?週休3日という話も出てきているそうで、増えてくる感じもありますが・・・ 皆さんは、自分で管理できる時間をどのように過ごしておられますか? 是非、お寺にいかれたり、仏壇に手をあわせてみて下さい。
仏教の宝
仏教では、三宝礼という偈文があります。大切にしたい三つの宝です。
日常で大切にしたいことが、以下の三つの宝です。
①一心敬礼十方法界常住仏 (いつ どこにでもまします仏さまを心から敬い礼拝します) ②一心敬礼十方法界常住法 (み教えによって示された不変の真理を心から敬い礼拝します) ③一心敬礼十方法界常住僧 (仏さまとみ教えを信じ仏道に励む人々を心から敬い礼拝します)
三つの宝とは、 ①仏:お釈迦さまや阿弥陀さまなどの人生の師と仰ぐ方をもつ。 ②法:誠の道筋として、自分にとって損得でなく嘘誠の歩みを進める。 ③僧:誠の道筋を進む仲間。和をもつ。 簡単に言うと、 ①正しい自分の人生の目標を持つ。 ②その人生の目標に向かい、今を大切に一歩一歩と歩みを進める。 ③自分だけでなく、周りの人も幸せとなる歩みを進める。
お経というのは、お釈迦様のお話集です。お釈迦様のお話されたことをまとめたのがお経なのです。 人間はなぜ苦しむのか、なぜダラダラしてしまうのか、人生良くするヒント、・・・などが無数に書かれています。 最近、ふと手にした本で『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』(苫米地英人氏著)の本を読みました。認知科学という分野の専門家の方が書かれた本です。人生をどのようにすれば、ストレスなく思い通りに出来るのかなどを分かりやすく書かれています。読んでいると、仏教の言葉もよく出てくるのですが、この本は【三宝礼】を実践するための解説本(※あくまで個人の感僧です)だと思いました。興味のある方はご一読下さい、Amazonプライム会員だと無料で読めたと思います。
また先日、浄土宗という宗派の総本山知恩院でも、成人式が中止となり御門主猊下(知恩院の住職)による成人の方に向けた言葉がYouTubeにて配信されました。 15分ほどですので、お時間ある方は是非ご覧ください。 成人の方だけでなく、すべての人が大切にすべきことをお話いただいております。
まとめ
お寺は、葬儀や法事ばかりで“陰気臭い”ところ、と思われがちなのですが、決してそうではなく、【死】と向き合うことで今の自分を見つめることが出来る(自分の人生の目標に対して、今の自分がどこにいるのか)所なのです。 現在、コロナ渦で法事で実家に帰るということも少なくなってきましたが、お寺はコンビニエンスストアより多いそうです。近所に必ずお寺はあるので、是非お寺の空間で、自分を見つめる時間を作ってください。 大阪府茨木市 浄土宗 地福寺
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